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質問:コマセの量と撒き方について2011年12月21日
コマセの量と撒き方について質問をいただきました
ありがとうございます
まずはコマセの量についてですが
グレ、チヌのフカセ釣りトーナメントなど
短時間に結果を求められる釣りの場合
または、どのような場所、状況でもそれなりに対応して結果を求められるような場合など
これは、2時間の釣りでも40センチのバッカンに満杯を
使い切るような釣りになることもあります
オキアミだけで40センチのバッカンを満杯にしようと思えば
12キロから15キロ必要となります
名人の釣りのイメージ
または名人さん方がテレビや雑誌の取材などで
ある程度限られた条件で結果を出す場合などが先行しているのかもしれませんね
このような傾向から
最近の釣りトーナメントにおいても
極力、少量のコマセで対応するように
配慮がなされてきているように思います
さて、私のプライベートの釣りの平均的量を紹介しましょう
グレ、チヌのフカセ釣りの場合
6時間の釣りで
オキアミ3キロ×2
地アミ4キロ×1(グレの場合に使うことが多い)
配合エサ1~2袋(チヌの場合は地アミなしで+1~2袋)
地アミを使った場合は配合エサを少なくする場合もあります
これは島根半島でも隠岐でも
男女群島でも四国などでも
基本はほぼ同じです
時季やエサ取りの状況に応じて若干変化はありますが
トータル的量としてはだいたい以上のような目安です
タルカゴなどカゴ釣りの場合は
6時間でオキアミ3キロ×2~3個です
カゴで撒くほか手撒きもしますから3個あれば安心です
マルキューのムギコーンやオシムギを混ぜる場合もあります
次に撒き方ですが
これは事前の情報だったり
状況しだいで「これだ」というものがなく
なかなか明確なお答えができないかもしれません
私が心がけている点としては
磯に立ったときにまずは
磯際から
そして徐々に広範囲に展開していくことが基本です
最初から集魚財が入ったコマセを撒くのではなく
まずはオキアミの原型のままを少量ずつ磯際に撒いて様子を見ていきます
これは潮やサラシの状態などを確認する目的もあります
そのためにはバッカンの中にもうひとつ
バッカンの大きさの3分の1程度の仕切りバッカンを入れておいて
配合エサ入りのコマセと原型のままのオキアミまたはボイルオキアミを
分けてセットしておくことがキモとなります
エサ取りが多い場合は
なるべく磯際(近距離)にエサ取りを集めて
その周辺(遠距離)に本命魚をおびき出して釣るイメージを作ります
「名人はコマセの量が多い」・・・というもうひとつの理由は
そのときのヒットパターンや
めまぐるしく変わる状況をつかんでヒットパターンにもっていくのに
やはりある程度いろいろ試してみて
状況を把握しなければなりません
海からの情報を得るためには
ある程度のコマセの量がないとできないことなのです
また、プライベート釣行の場合は
時間にも余裕がありますので
じっくり攻めていくことが最終的によい結果に繋がることが多いものです
はじめからどんどん沖に遠投するような釣り方はしません
前述したように手前から、手前から徐々に展開していくようにしています
これは、タルカゴ釣りなどカゴ釣りにも言えることです
まずはチョコ投げでフカセと同じようなイメージからスタートしていき
徐々に沖へと展開していくようにします
これからの時季は
サラシの攻略が釣果を上げるカギとなることも多いですね
サラシは結構変化が激しいものです
サラシのどの部分にコマセを打つのか
サラシの上げ下げのどのタイミングでコマセを打つのか
これだけとってもコマセの撒き方で
ずいぶんポイントが変わってくるものです
当然釣果にも差が出ます
最も失敗のないやり方は
コマセをサラシなど海面に直接打つのではなく
磯の上に撒いておき
サラシの上げ下げによって吸い取らせるようにするのです
こうすると磯際に吸い込む流れにコマセが同調します
表面だけをやたら沖に流れるようなことがなく
有効にコマセが効くわけです
あとは
サラシとサラシの間にできる磯際のピンスポットや
ワンドの対岸からできるサラシ
沖にあるシモリや島からできるサラシなどを利用した
コマセワークが有効な場合もあります
魚種別の撒き方ですが
あくまでも基本として・・・・
グレの場合は
コマセのど真ん中を釣るのが最も効率のよい方法ですが
最近のグレ釣りにおいては
エサ取りや小型のグレを交わして
良型のグレを仕留めることが求められていますね
島根半島や隠岐では
良型グレの場合、エサ取りや小型よりもやや遠く、深くいる場合がパターンです
コマセを撒いた位置から
良型グレが潜む4ヒロ、5ヒロの棚に到達するには
どの地点になるのかを推理しなくてはなりません
そして、この地点、この棚にサシエサがついた状態で
仕掛けを送り込むには
どのタイミングで、どの位置から流し込むのか
仕掛けの設定とともに考えていかなくてはなりません
奥が深いですねー
細かなことは状況しだいで変わるので
なかなか明確に答えられませんが
総合的に考えて
コマセは極力磯際から入れていき
仕掛けは超遠投、深棚までを想定した
広範囲を探るイメージで釣っていくとよいとおもいます
コマセの固形物が届く範囲内は小型やエサ取りが多く
臭いだけが届くエリアに大型が潜んでいるものです
マダイは
大型になればなるほど
コマセの中心から少し距離を置いて
エサを狙っているものです
カゴ釣りなどで、ハリスを長く取った方が
アタリが多いのもこういった習性によるものです
また、前述したグレの良型を狙ったパターンで
大型のマダイがよくヒットしてくるのも
理解していただけると思います
ヒラマサは
これはグレ、マダイにも共通していえることですが
オキアミ生と生を潰した場合と
また、オキアミボイルとではそれぞれ比重が違うということです
エサの管理や質によっても若干は比重が変わってきますが
オキアミ生の方が比重があり深く入ります
潰せば拡散しより深く入ります
逆にボイルは比重が軽く、生よりもゆっくり沈んでいきます
ボイルでだいたい6ヒロ前後(10mほど)の棚まで沈んで
後はその棚を漂っていると思われます
潮の流れがあれば、その棚はもっと浅くなります=魚の棚も浅くなるのが一般的です
私は最近タルカゴの釣りで
生オキアミとボイルの実験をやっています
生だけ撒いた場合
生とボイルを混ぜて撒いた場合
ボイルだけを撒いた場合
まだ確かなデータは出ませんが
徐々に分かりかけてきたこともあります
魚が食うことに関しては
どちらを好んで食べるかは別として
やわらかい生オキアミの方を先に食べる傾向があるようです
ただし、視覚的に目立つボイルの方に先に興味を示す場合もあります
ヒラマサは非常に賢い魚です
食い気が立っているときはさほど気になりませんが
釣り針を感知する名人です
サシエサと同じエサとぴったり同調していないと食いつきません
こういった理由から
遠投しても比較的浅い棚を漂って流れるボイルオキアミ
またはサシエサとしても遠投に耐えられるボイルオキアミがよい結果が得られました
春先の棚が深い場合や
潮などの自然条件によっては
タルカゴよりも底カゴ仕掛けに分がある場合がよくあります
これは魚の棚がボイルの比重よりも深い場合など
深棚で底カゴの方がサシエサと常に同調した状況を作りやすい場合なのです
意識してハリスを短目にする場合もあります
そしてマダイの場合は
タルカゴに生オキアミというパターンでよい実績が上がってきています
まず、コマセが早く効いてアタリが出る時間が早いということ
コマセが生でサシエサがボイルであっても
さほど食いに影響がないこと・・・むしろサシエサが目立ってよい感じ
上層にエサ取りが多い場合は
やわらかい生を先に捕食するので
結果的にサシエサのボイルが深い棚まで届きやすい・・・などなど
さらに生とボイルを混合して
コマセの比重を変えてやるとどうなるのか
生とボイルの割合なども研究中です
なんといっても
オキアミ生が価格的に安いというのも重要なことなんですよ
年々小遣いが減らされていっているものでして・・・・みなさんもでしょ・・・・
長々と書いてしまいました・・・・・
どこに答えがあるか分からないようになってしまいましたが
それだけこのテーマは奥が深いということです
生涯学び続けなければなりません
それでも答えは出ないかもしれません・・・・
つまりマキエワークというものは
コマセとサシエサの同調なわけですから
自然条件と自分が攻める棚、仕掛けの設定具合
これらを総合的に頭に入れておいて
海中をイメージしながら組み立てていくのです
そして、考えながらコマセを打った結果(情報)を
自分の頭の中にインプットしながら経験を積んでいくことです
この積み上げができるかできないかが
上達していくか、そうでないかの、大きな分かれ目です
なんだか難しくてめんどくさそうですが
こういった推理とイメージ
そして実践
ここに釣りの面白さを見出すことができる人こそが
素質であり、センスといえるのではないかと思うのです
何も、こんなことまでしなくても
ただ釣りをして楽しいと思うのであれば
それを否定するものではありません
人それぞれに楽しみ方があるのも
釣りのよさなのです
ただ私は
こんなことを考えながら
いろいろやることが面白くてたまりません
名人の域までにはまだまだだと思いますが
その積み重ねが
結果となって出ているのだと思います
このくらい奥深く考えて
勉強や仕事をやってこれば
すごいことになったんでしょうけども・・・
「好きこそ 物の 上手なれ」
とはよく言ったものです
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