それでは今回は
ヒラマサ釣りのやりとりについて
お話ししていきます

前提として

1.わたし独自の考え方であって超主観的
2.島根半島、とくに大社方面の磯でのやりとりを想定
3.ヒラマサのサイズは80cmクラスを想定
4.現在の考え方によるものです。明日には変わるかもしれません。

いつものことですが
これはあくまでも一つの例です
参考程度としていただければ幸いです

そしてあくまでも現段階のわたしの考え方にすぎません
わたしも明日にはまた違う考え方になるかもしれません
次の釣行で体験したことでも変化します

釣りはそういうものですね
信念をもって頑なに守り通す事柄もあれば
常にアンテナを伸ばして情報収集し
柔軟に変化していくこともある

この両面をバランスよく兼ね備えていることが大切です

すぐに釣りから他の事に置き換えるんですが
人生も社会生活もここがキモですねー


それでは本題です

まずはキーワードから
【ドラッグ調整】
【シャットベール】
【とにかく巻く】
【強い竿と捕れる竿は違う】
【仕掛けのトータルバランス】

すいません
思い付くがままに書いたので
解説は順不同になるかもです

大社の磯で80cmを取り込むには
どんなタックルでやったらいいですか?

良くある質問です

竿は
ズバリ 「タルカゴスペシャル」といいたいところですが
まだ未発売です

事やりとりに関してだけ考えれば
よい竿はたくさんあります

これまで一番おすすめしてきたのは
「がま磯 我夢者」シリーズでしょうか

竿に関して
少し知識というか
理解というかを申しますのは

強い竿の定義です
強い竿=硬い竿
またはある程度の号数以上の先調子の竿
と考えている方が多いということです

調子というのはあくまでも
仕掛けの操作性だったり
仕掛けを遠投するための機能であったり
あとは釣人のやりとりの際の好みだったり
以上がわたしの考え方です

つまり80cmのヒラマサがとれる竿というのは
必ずしも号数が大きくて硬い竿=強い竿ではなくて
胴にのって元竿の部分が粘るというか
感覚的なので表現が難しいのですが
ゴムのように伸び縮みするような感覚

物理的にはあり得ないのですが
例えば5,3mの竿がそれ以上の長さに
伸びてまた戻るような感覚です

実際に「我夢者」を使い込んでいくうちに
こういった感覚を味わうことがありました

失礼な言い方になるかもしれませんが
まだそれを味わったことがないという方は
そこまで竿を曲げきったやりとりの経験がないということです

大方の場合は
そこまで竿が曲がるまでに
ラインを出してしまっている場合が想定されます

実はバラシの原因の大きな要因として
この事が大きく関わっているのです

「我夢者がいいって小島が言うもんで
   せっかく買ったにバラシてばっかりだわー」

そういった方もおられるかもしれません

じゃあ竿を買い換えればとれるのか?
そういうものでもないですねー

道具を使いこなす
その機能や特性を引き出す

わたしも含めてですけども
例えば我夢者がもっているポテンシャルを
どこまで引き出せていますかねー
半分くらいなものかもしれません

実際にタルカゴスペシャルを開発するときに
開発技術者とのやりとりで

スーパーインテッサ遠征3号と
我夢者3号と
どっちが強いか
どっちがパワーがあるかの話題になって

わたしはてっきり
スーパーインテッサの方が強いと感じていたものです

実際はメーカーのデーター解析によって
我夢者の方がパワーがあると診断されました

わたしとて
まだまだ我夢者を使いこなしていないということです

だから偉そうなことは言えませんし
バラシも多いわけです

せめて70%~80%くらい引き出したやりとりができれば
もっともっととれると思います

バラシの原因の大半は
竿にあるわけではなくて
釣人の使いこなしの部分なのです

その竿がもっている性能や特徴を
釣人がよく理解し
よく使いこなすことがキモなのです


まずはこの意識を持ちましょう





タルカゴスペシャルは
まさにスーパーインテッサの操作性に
我夢者のパワーを融合させた作りになっています

使いこなせば
80cmのヒラマサが必ず取り込めるはずです



次にリールです
釣人というのはどうしても
よりライトタックルで大物を取り込むことに
価値をおいている人も多いように思います

いいと思います
楽しみ方はいろいろでよいので
否定はしません

しかしわたしは
「大は小を兼ねる」
という考え方を
事、リールに関しては思っています

特にヒラマサの80cmのやりとりを想定したときに
ドラッグ性能の高い
巻きのパワーが強い
大型リールがベストだと考えています

竿と同じように
身体への影響を考えれば
重量が軽いに越したことはありませんが
手元に置くリールについては
少々の重量は覚悟し
とにかく大きめのパワーのあるリールがよいのです

ドラッグについては
フロントドラッグです
スプールが回ってラインを送り出す方式ですね

その他レバーブレーキ
ベールローターが逆転するONーOFF(この方式はハンドルも同時に回転するのでヒラマサ釣りには指などを負傷する危険性があります)がありますが

ハッキリ申しますけども
わたしが考えるところ
レバーブレーキとON・OFFのドラッグ機能は
ヒラマサの80cmクラスには不要です

不要というよりは
非適合です

この表現には
たくさんの方から異論があろうかと思いますが

これらの機能は効果的というよりは
逆にバラシの原因になりかねない
逆効果になっていると言わざるを得ないからです

アタリを待つときは
リールのベールをオープンベールにし
ヒットしたらフリーのまままずは沖へ走らせて
走りが止まってからベールをおこしてやりとりすればいい

途中で反撃に出たら
それぞれのドラッグの機能で対処すればいい

一般的にもよく言われていることです

でもね
大社では違いますねー

何回このパターンでバラシたことか
これは間違いなくここでの経験でお話ししていることです

このやり方でとれたこともないわけではないですが
80cmどころか
70いやいや時には60cmクラスでも
やられることがあります

ラインを出せば出すほど
釣人に不利になることは
経験から実証済みなのです

レバーブレーキ付きリールについても
最近は大型の機種も出てきていますが
「瞬時にラインが出せるので便利」

確かにそうです

しかしこれを
事、我夢者を使ったやりとりを想定したとき
何かの理由で竿の角度が悪くなったときだけに
理想の角度に戻せるだけのライン量を出せる機能でいいのです
これがベストです

レバーブレーキの場合は
ついつい便利がよすぎてなのかどうかはさておき
ラインが出すぎてしまってはいませんか?

意図的に出しすぎているならまだしも
無意識に想定以上のラインが出てしまうところに
問題があるわけです

これがバラシの要因の一つになっているのです

わたしはこの事で
人差し指一本の操作で
この微妙なライン量をコントロールできないという理由で
グレ・チヌのフカセ釣りにおいても
レバーブレーキ付きを一切使わないようになりました
(これは余談でしたねー)

それではヒット直後にどうすればいいのか
どのような動作が理想と考えているのか

まず、アタリを待つ備えとしては
シャットベールです
ベールはいついでもラインが巻ける状態にしておきます

ここで重要なのは
ヒットした瞬間から一巻きでも半巻きでもいいから
リールを巻く動作ができることが
取り込めるかどうかのカギになるのです

そのためにはドラッグ調整が大切です
このドラッグ調整はですねー
ここでは解説は不可能です
基準があるわけでもなし
数値化できるものでもなし
それぞれの釣人の感覚でしかないのです

したがって経験の中で
自分なりの感覚を覚えていくしかありません

わたし自身も
いつも同じように設定できるかというと
そうではないですね

「今日はこんな感じかな」ってなもんです

でも重要なんです

ヒットした瞬間は
体勢にもよりますが
一瞬竿がのされた状態になりやすくなります

ここを踏ん張って竿の角度を出すようにおこします
「竿を立てる」と言わなかったのは
なるべく寝かせた状態で角度を出すことが理想です

その理由はヒラマサに潜らせないための対策のひとつです

そして最大のキモは
先にも言ったようにリールを少しでも巻く
できれば巻き続ける

竿の操作と同時にですよ

これねー
ここに書くとなるほどねー
って思いますけど

実際はなかなかできませんよ
難しいです

経験が必要ですが
それでもまずはやり方を知ることと
そういう意識を持つことが大切です

ここまでで
もうみなさんのこれまでとかなり違うなーと
言う人も多いと思います

「できる、できんよりも、巻いてもドラッグが滑るけん意味がないがや」

いやいやいや

違うんですよー

ドラッグが滑りながらでも
巻けるときに巻き続ける
とにかくリールを巻くこと

この理由は
ヒラマサに勢いをつけて走られないことと
ヒラマサの想定通りの方向に走られないようにするためです

勢いと言いますとねー
魚もですねー
一気に走る体勢として
イチ、ニー、サーンみたいな
フルスピードで走る前の助走と言いますかねー
「間」といいますか

そういう準備体勢と言うのはあるように思います
その準備体勢を少しでもリールを巻くことで
崩してやることなのです

これはダメージが大きいですよー
魚に聞いたわけではないので想像ですけども

例えばですね
トルネード投法で有名な野茂選手の投球フォーム
一本足になってくるっと背を向けますでしょう
強い球を投げるための準備体勢です

このときに誰かが
ちょっと引っ張ったらどうなります
ガクッとバランスを崩して投球どころではありません

ホームランバッターとしては小柄だった
世界の王選手もそうですね
あのテークバックトップの一本足の体勢を崩されたら
ホームランどころの話ではありません

80cm級のヒラマサの走りは半端ではありません
助走をつけて一気に走られたら
取り込める確率がかなり落ちてしまうわけです

通常そう簡単に切られることのない太いラインが
一気の走りによっていとも簡単に切られるバラシも
ヒラマサの特徴です

そして瀬の方向に走ると言われるヒラマサに
少しでも向きを変えさせるためなのです


これまではヒット直後の動作ですが
途中についても
ヒラマサは何度も反撃に出ますので
ここでも竿の角度を保って
とにかく巻けるときに巻くことです

瀬に行きそうになったり
実際に瀬に当たったり

足元まで寄せてきたところで
一気に突っ込まれたり

一瞬たりとも気が抜けません

足元で突っ込まれた場合は
リールのベールをオープンにして
一気にラインを送り出さなければならない場面もあります

でもこれもやれそうでなかなかできませんよー
引きに耐えながら竿の角度を保つように踏ん張った状態で
なかなかベールをおこせないものです
これも経験を積むしかないです

それだけ取り込むことが難しいと言うことなのです


まだたった竿とリールのことだけですけども
長くなりましたねー

ここでは解りにくいでしょー

やっぱり実際に磯でやってみるのが一番で
せめて講座などで
みなさんとお会いしながらでないと
難しいですかねー

ドラッグ調整とか
やりとり中の微調整とか
こんなときにはこうするみたいな
小技もたくさんあるんですが
なかなか文章では限界がありますね


それからここまでのやりとりのイメージは
あくまでもタルカゴ釣りでヒラマサを狙う場合で
だいたい20m以上沖でヒットした場合を想定しています

足元や磯際でヒットした場合は
その備えの部分から
また違うスタイルと動作になりますので
誤解のないようにお願いします

また、離島の隠岐や九州など
違うエリアの釣り場の場合は
その場の利にかなった方法があるかもしれませんので
あくまでも前提条件の中でのお話として
参考としてください