おまえなんでもう逝ってしまうんだよ

いいやつほど早く逝くって言うけど

なんぼなんでもそれはないだろう

おまえは確かにいいやつだよ

だれに聞いてもそういうよ

それでも・・・・

 

おまえは頭もいいし、スポーツ万能だし

それでいて偉そうなそぶりを一切しない

だれにだって平等に接してくれる

おれみたいなバカでがさつな人間にもだ

 

どこかいいところを見つけて

それを認めてくれるやつだった

 

中学校のころから

今この歳になっても

何にも変わらない

 

おまえに認められると勇気がわいてくる

 

そんなやつって珍しいで・・・あんまりおらん

 

おまえが教員になったって聞いたとき

「そうだなー、おまえみたいなやつが教師になるべきだよ」って誇りに思ったもんだよ

おまえに習った生徒たちは幸せだったと思うで

 

昨日、久しぶりに顔を見せてもらったよ

いつもの優しそうな顔だった

でも、おまえ、呼んでも呼んでも、目を開けないじゃないか

スポーツで鍛えたあのがっちりした身体は

すっかり痩せて小さくなっていて

 

苦しかったんだなー

辛かったんだなー

 

でも、おまえのことだから

最後まで快復を信じてがんばっていたんだろう

 

久々におれも人前で泣いたよ

こらえられんだった

 

おまえの無念さを思うと・・・

 

まだまだやりたいことがたくさんあったことだろう

おまえならすごいことができたんだと思うよ

頼りにしている人たちもたくさんいたと思う

 

自分の子どもたちや

教え子たちの成長も

もっともっと見届けてやりたかったことだろう

 

昨夜もなー

おまえの横で子どもたちが正座して

おれたちみんなにきちんと挨拶していたよ

 

これはできそうでなかなかできんことだでー

さすがにおまえの子どもたちだなーって・・・すごいって

悲しくて、辛いだろうに

立派だったで

 

おまえの意思が子どもたちに伝わっていて

これからもこの子どもたちの中で

おまえは生き続けるんだろうな

 

おまえが教えてきた教え子たちもきっとそうだよ

 

子どもたちには言いたい

こんなにたくさんの人たちにお父さんは慕われていたんだよって

こんなにたくさんの人たちに惜しまれて逝くお父さんの

子どもであったことを誇りに思ってほしいってね

 

そういうと・・・・「いやいや・・・そんな」って笑って謙そんする

おまえの顔が浮かんでくるよ

 

だれ一人おまえの悪口なんか言うやつはいないけど

おれはあえて言うよ

「おまえはだいたいに自分のことはさておき他人のことを考えすぎるんだよ」

「もっと自分のことを考えていりゃーよかったんだよ」

「それが普通だでー」

 

少しゆっくり休んでくれよ

少し自分のことだけ考えてくれよ

 

明日はいよいよ旅立ちだな

おれも、明日、おまえの旅立ちを見届けに行くから

 

そして、当分の間お別れだな

 

 

ありがとう

 

 

友よ、しばしさようなら

 

合掌