山陰地方の潮の流れ方及び潮の読みに関する質問をいただきました

ありがとうございます

 

この回答は私が釣りを経験した中で得た体験をもとに話したいと思います

学術的な根拠をもとに話していないということをご承知おきください

 

 

質問の方のお話しにもありましたように

山陰海岸は北西から北方向に面しており

海に向かって右に流れる潮を「本潮」とか「上げ潮」といい

逆に左方向に流れる潮を「逆潮」とか「下げ潮」という方が多いようです

 

ここで言う上げ下げは、いわゆる干満の上げ下げではないということが言えます

 

そして、山陰地方では潮の満ち干で決まった潮の流れ方をしないというのが大きな特徴です

潮の流れが釣果に大きく影響することは変わりないのですが

山陰地方の場合は、潮の流れとともに、むしろそれ以上に

他の地域に比べて風や波、サラシの影響を強く受けるということです

 

具体的には風や波の影響で表層の潮の流れまでもを変えてしまうからです

 

太平洋や瀬戸内海のように干満の差が2メートル以上もある海域は

その海域全体が大きく動くといってもよいでしょう

これが潮の動きとなるのです

ですから満ちの時はこの方向、干の時はこの方向・・・と定まるのです

 

干満の差がせいぜい数十センチの山陰地方においては

海域全体が動くというほどではありません

ですから比較的流れが緩く風や波などの影響を強く受けるのです

そして、潮はある一定幅の帯のような状態で流れています

海域全体が動かない山陰地方では

手前は潮が動いていなくても

沖の一部に潮の流れがあったりします

 

ですから遠投が必要だったり

タルカゴを使った超遠投フカセ釣りが有効だったりするわけです

 

また、右に流れるいわゆる本潮の時に釣果がよいといわれる方が多いようです

これは対馬暖流の影響を強く受けるということもあるようです

そして北東風が強く吹くと水温が低下するとも言われています

 

これらを総合的に考えると

コマセとサシエサの同調条件が釣果を大きく左右する磯の上物釣りで考えるなら

比較的緩い潮の流れが風や波などの気象状況に極力影響を受けないことが大切だということです

素直に流れてくれる条件が最高なのです

 

そうすると地形的にも北西から北向きの釣り場が多い山陰地方の磯では

緩い南西または西風で対馬暖流が入り込む潮の流れが最高ではないかと思うのです

 

通常、大潮が潮の流れが一番大きくよく流れるといったイメージがありますが

大潮の前半は潮の流れが定まらないことが多いものです

特にこの地方では、右に行ったり、左に行ったり、止まったり

「分けが分からないような潮だった」・・・ということが多くあります

 

私の経験の中では大潮の後半から中潮が一番安定した潮が流れると思っています

過去の釣果のデータを調べてみても

大物や大釣りの実績を紐解いてみてもいえることなのです

 

潮の流れが緩い

潮が定まりにくい

一定の筋しか潮が動かない

こういった特徴は上物釣りにおいて本命魚とエサ取りとを分離しにくい、

交わしにくいということもいえます

「どこへ投げても、一日中エサ取りだらけだった」・・・ということが多いのも山陰の海の特徴です

 

そして、潮で釣ることもですが

潮に関係なく朝、夕のマズメにアタリが集中することが多いのもここの特徴です

潮が悪くてもこの時間帯に照準を合わせた釣行や日程、タイムスケジュールを組むことも

釣果を伸ばすコツですね

 

大潮の後の中潮

緩やかな南西風または西風

朝夕のマズメ

これをキーワードに釣行計画を立ててみてください