たっちゃん仕掛け、水中ウキのタナとりについて

2025年07月17日

連日猛暑ですねー
わたしはこの猛暑もあったりで島後の釣りから磯に立てていません

本来ならとっくに川へ遡上しているところですが
ボヤボヤしている間に川の水温もどんどん上昇していて「厳しい」の情報も・・・
なかなかアユ釣りタックルが出てきません

気持ちの問題なんですがねー
いったん現地へ行けばスイッチが入るわたしです

宍道湖のチヌ釣りが好調ですねー
近場で手軽、暑さ対策もとれますから
わたしもチョコチョコっと行っています

1752731936044

釣友、いとこ、Jr.などとわいわいしながら
そこそこ楽しんでいます

1752731938055

さて、久しぶりに質問をいただきましたので
ここで紹介しながら回答したいと思います

質問の内容は次のとおり(原文のまま)
先日、鷺浦釣行の記事でウキ止めなしのタルカゴ釣りをされてましたが、私も時々ですが同じようにウキ止めなしでやってみることがあるのですが(私の場合はウキ下の設定に悩んだあげくの最後の手段としてすることが多いですが・・・)、果たして本当にサシ餌はちゃんと沈んでいっているのだろうか?と疑問に思うことかあります。
水中ウキは外されていると思いますが、ただサシ餌が付いているだけの針が、太い道糸をパイプ天秤などの抵抗もあるのに本当に引っ張って沈んでいってるのだろうか?と。さらに足元にサラシがあったり風があると疑心暗鬼になってしまいます。結果、魚が釣れたとしても実はごく浅いところで喰ってるのではないかと・・・
実際のところは海に潜ってみないとわからないかもしれませんが、サシ餌をしっかり送り込むために何か工夫されていることはありますか?
また、ウキ止め有り無しはどのような条件で選択されますか?

ついでにもう一つ質問ですが

水中ウキもマイナス3B~1号と使われてるようですが、この使い分けはどのように選択されてるのでしょうか?
私が使っているタルウキドクロ風のものは案外と残存浮力が少なく、水中ウキの上限が決まってしまうこともあるのですが、選択肢があるとしたらの質問です

以上の内容です

1633309700313

この方はかなりのレベルで釣り込んでいらっしゃる釣り師の姿を想像しますねー
やればやるほどこういった疑問が沸き起こってくるのが釣りの世界です
「楽しければいい」というのも趣味のことですからよく言われますけども
探求して、探求して、時には悩み苦しみながらその先にある究極の「楽しみ方」
というものがあるような気がしますねー
でも、そこに価値観をおいて
ひとつのことを取り組み続けられる人って
意外と少ないのかもしれませんねー

あららー
また前置きが長くなってすいません
回答も長文になるかもです

まず、最近のブログで紹介した鷺浦での釣りを引用されていたので
このときの状況から・・・

大平での釣りはじめは
あわよくば尾長グレを狙って
たっちゃん仕掛けにマイナス3Bのクリア水中(釣研)をセットして
ウキ止めなしでスタートしました

わたしがヒラマサ釣りでもよくやるたっちゃん仕掛けでの「ウキ止めなし」は
イメージとしてハリスの長さ分程度のタナを攻める場合です

ここで3B水中ウキを付けたのは
潮の流れに対してかなり道糸を張った状態でテンションを掛けて
流すイメージで
タナを遊動でとるというよりは
ハリス分の長さで食わすイメージで釣りをしています

そしてここからが応用的なんですが
潮の流れ具合や潮目へのアプローチ、風、波、サラシなど
さまざまな状況を道糸のテンションの強弱である程度のタナを
探るイメージです

また、アタリが出たときの送り込みも大事にしていて
ウキ止めがないことによって魚への違和感を軽減し
サシエサの食い込みの良さをイメージしています

このときのラインの走りも醍醐味として楽しめますね

それともうひとつウキ止めを付けないメリットとしては
ヒットした魚とのやり取りにおいて
ウキなどの仕掛けの抵抗が極力かからないようにイメージしています
なるべく魚を潜らせたくないんですねー

ちょっとヒラマサ釣りとごっちゃになってしまいましたが
この時の鷺浦に限って言えば
食い込みの良さ、ラインの走り、状況に応じたタナの探りを優先しています 

それとこういう釣りをする場合は
比較的潮の流れがあって、魚の活性が高いときに限定されるようにも考えています

1571386390411

 

 

基本は何度も何度も、毎回、毎回、言っている通り
マキエサとサシエサの同調です
この事がとにかく基本中の基本なんです

ちょっと誤解を招くといけませんが
同調とは・・・必ずしもマキエサのど真ん中にサシエサがあることだけではないんですよ

さまざまな条件下で
マキエサの流れていく過程や
またはマキエサがどこに溜まっているかにおいて
そのマキエサのどこ辺りにサシエサを置くのか
または通していくのか

狙う魚種やサイズによっても変わってきます

中央なのか
少し外すのか
外す場合においてもどっちに外すのか
外す距離は・・・

何度も何度もアプローチして
ヒットするパターンを見つけ出していくのです

ちょっと横道にそれましたかねー

1750634701202

 

そして質問の内容に戻りますと

「サシエサがタナへ届いていないのが不安」
そうです
竿1本以上のタナを狙う場合
わたしもいつも不安でなりません

わたしは竿2本程度の、またはそれ以上のタナをたっちゃん仕掛けで狙う場合は
マイナス1号の水中ウキを装着して狙うタナにウキ止めをセットします

IMG_20230529_065657

遊動部分は早く確実に取ってしまうというのがわたしのイメージです
水中ウキが設定したタナまで到達した直後は
ハリス部分がVの字状態になっていますから
ここから道糸にテンションを加えたり時には引き戻して出し入れし
想定したタナへサシエサを送り込みます

先日の鷺浦釣行のコイドリへ磯替わりした後半は
正にこの仕掛け設定と釣りイメージで釣果を伸ばしました

それから道糸とハリスの結束には
オーナーのWクレンというスイベルを使っていますが
大きさによってなんですがこれが2Bとか3Bとかの重さがありますから
これ自体が結構水中へ入ていくものです

ヒラマサ釣りの場合ではこのスイベルの浮力を無くすための発砲ウキを
仕込む場合もあります

水中ウキの号数の使い分けですが
わたしは実はちょっと苦手にしています

鷺浦では3Bでフリーをたまたまちょこっとやってみましたけども
正直なところ普段はあまりやりません

探りは前述したようにスイベルの重みで十分できますし
あえて使い分けるとしたら
タルカゴで撒いたマキエサの沈み具合に合わせて
なるべく長らくサシエサをキープする
その時の潮の状況で使い分けるイメージはできると思います

一応はタックルケースの中に各号数を揃えてはいますが
圧倒的に出番が多いのは1号です

以上のことからG1タルカゴ ドクロの残存浮力は
小や極小サイズを除いては2号程度以上を残すようにしています

IMG_20230529_065632

ドクロは単体でシブシブ浮力のものも存在はしていますが
そこは天秤に仕込むオモリの量や
水中ウキ、スイベル、仕掛け自体の重さなどもありますから
ある程度は浮力があった方が使いやすいと考えています

仕掛け設定によっては残存浮力による使い分けは必要だと考えています

タナを取るだけの目的であれば普通のオモリでもいいかもしれませんが
クリア水中のように逆三角形の形状は潮受けが抜群に良いですねー
ですから「タナをとる=沈める」のではなく
「潮に馴染ませる=サシエサとマキエサの同調」の意識を持つことです
その上で、何がいいのか、何を使ってどう釣るのかが決まってきます

こう考えると状況次第では
水中ウキの号数の使い分けについても探求してみるとおもしろいと思います

なかなか深いテーマです

考えれば考えるほど深みにはまっていきます
それもおもしろいところではありますが

考えすぎるのもよくないですねー
釣り人は時に難しく考えすぎる傾向にありますね

迷ったり、壁にぶち当たったときこそ原点に戻ることが大切です

原点はなんなのか?
それはやはり基本が大切だと思います

「基本無くして応用なし」です

いつでも原点回帰できる
戻れる存在を持っていることは重要なことです

釣りの上達の早道は
良い師匠を持つことです

わたしの原点は師匠の竹下名人でした
徹底して基本を教わりました
釣り技術だけではなく人生や生き方そのものもだったように思います

お亡くなりになった今でも
迷ったときは師の教えに戻ります
戻るところがある・・・これは釣り師においても幸せなことですね

今は、情報過多になって、ネットには「応用」が溢れています

師の志を受け継いで次の世代に「基本」を伝えていかなくてはと思いますが
それも難しい時代になったと感じているところです