県外出身選手に学ぶこと

2009年07月29日

中学野球は

斐川東が優勝

準優勝に西郷が入った

松江地区からは松江四中がベスト4まで勝ち上がったがあと一歩だった

 

結果を新聞で見るとどの試合も1点差だ

紙一重の試合が多い

もう一度対戦したら次はわからない

中学の試合はそれだけ実力が伯仲している

 

しかし、やはり勝ち上がるにはそれなりの理由があるもの

技術以上に精神面、気力面の充実が最後には生きる

勝利の女神は精神的な強さがお好きのようだ

 

甲子園行きが決まった淞南だが

「県代表といってもメンバー全員が県外出身じゃーなー」

「今ひとつ応援にも熱が入らないよー」・・・

 

確かに私も地元出身の選手を応援したい気持ちもある

地元出身選手だけでチームを構成する

公立高校にがんばってほしい気持ちもある

 

しかし、県外出身者のメンタル面の強さに注目したい

彼らは親元離れてなれない土地で生活しながら

夢に向かって厳しい練習に耐えてきた

 

「練習はどこも厳しく辛いのだから同じじゃないか」

 

彼らの苦労は学校や練習以外のところにある

寮なのか、下宿なのかはわからないが

 

ユニホームの洗濯や食事の心配も自分でしなければならない

今では、親が自家用車で送り迎えが当たり前になっているような状況で

彼らは生活全般にわたって自分でやらなくてはならない

 

私自身も現役時代

野球部同級生でただ一人、寮生活だった

洗濯も自分でやった

寮には食堂のまかないのおばちゃんがいてくれたが

弁当箱を毎日洗って、自分で詰めて学校へ向かった

「在宅のライバルたちには絶対に負けない」

そういう思いで練習に打ち込んだものだ

 

野球の練習以外でも

こういった経験が野球に生かされ

社会に出てからの糧になっているのだと思う

 

島根県の過去10年の成績を見てみよう

2度、浜田高校が県代表になっているが

それ以外はすべて私立高校だ

これらは県外出身者の選手が多いチームだ

 

確かに優秀な人材を全国から集めることが優僉璽札鵐尾なのかもしれないが

それ以上に高校3年間の取り組み

取組む姿勢にあるのだと思う

 

昨年、今年と決勝戦を観戦するに当たって

中学を卒業し親元離れて見知らぬ土地で夢を追う覚悟と

その後の生活全般にわたっての彼らの取り組みにこそ

学ぶところは多いのではないか

 

現在中日で正捕手として活躍する谷繁選手が

江の川で甲子園に行ったときに

「ぼくたちは島根の出身ではないけど
  心のふるさとである島根の代表としてがんばります」とコメントした

淞南ナインは第二のふるさと島根の代表として

誇りを持って戦ってほしい

彼らの健闘を祈って心から応援したい

【メモ】
(谷繁選手の出身地は広島県)
(このときの決勝戦も大社高校だった)
(1988年、谷繁選手は県予選決勝で2ホーマーを含む大会5試合で
 毎試合の7ホーマーを記録し、甲子園ではベスト8、この年のドラフトで
 当時横浜大洋ホエールズ→現横浜ベースターズに1位指名された)