隠岐島前のチヌ釣り状況について質問をいただきました

ありがとうございます

 

隠岐島前のチヌ釣りといえば

特別な思い入れがあるものです

 

私が夢中で釣りに行っていたのは

平成元年ごろからでした

当時、島前内海筋にはほとんど釣り人がいなくて

まだ釣り場としては未開拓なエリアだったといえます

 

それが、師匠でもある竹下名人の釣果や

当時山陰で発足した峯友会の大会で釣行したのがきっかけでした

 

ご質問でもいただいたように

どこでも・・・ほんと、どこでも竿が出せそうな場所では

50センチ級がバンバン当たってきました

数も1回の釣行で二桁は当り前でした

 

私は夢中になって

当時のふたまた丸の若船長と毎週のように新しい場所を開拓していきました

1回の釣行で2泊3日磯に泊まって

とにかく海岸線を歩いて釣れそうな場所で竿を出したものです

 

中ノ島の木路ヶ崎から松ヶ崎灯台まではすべての海岸線で歩きながら釣りをしてきました

西ノ島側は別府港に近い大山鼻から麦田鼻までも同じように釣り歩きました

 

平成初期はまだ海藻のホンダワラが磯際をぎっしり覆いつくしていました

そのわずかな切れ目を探すように釣っていったものです

気になる藻があればカマをタモの柄にセットして刈ったり

木の枝が邪魔になれば

高枝バサミを持ち込んで竿が振れるようにしたり

とにかく今思えば狂っていましたねー

でも、おもしろかった

私の釣り人生の中でも

最も充実し、よい思い出になっています

 

当時は内海で1人だけ渡船を降りると

他の釣り人からへーんな目で見られたものですが

その後は内海ブームになって

5月の連休ともなれば

どこのポイントも釣り人でいっぱいです

 

さて、夢のような話は昔のこと・・・・・

と懐かしんでいる人は多いと思います

そこで最近の状況を

平成12年から4月中旬に開催している「G1カップ」の結果から見てみましょう

選手権の部優勝者

                     
大会    年度    優勝
選手名    地区    重量    (kg)    尾数    (尾)    渡船
1回大会    H12    竹友会A    島根    8.45    5    幕島渡船
2回大会    H13    三原   浩    島根    9.44    6    浜吉丸(崎野)
3回大会    H14    建井 雅美    鳥取    6.82    4    北分浜吉丸
4回大会    H15    山崎 幸男    鳥取    4.55    3    ふたまた丸
第5回大会から3尾までの総重量
5回大会    H16    森岡 孝章    島根    7.60    3    ダイキン
6回大会    H17    森岡 孝章    島根    7.18    3    ダイキン
7回大会    H18    立石   進    島根    5.21    3    浜吉丸(崎野)
8回大会    H19    石丸 敏文    広島    7.54    3    ふたまた丸
9回大会    H20    安田 晋也    G1    7.30    3    浜吉丸(崎野)
10回大会    H21    羽原 由造    広島    6.42    3    ダイキン
 

                          
 チヌ大物賞の部優勝者

                     
大会    年度    優勝
選手名    地区    長寸(センチ)    渡船
1回大会    H12    中祖 宏伸    島根    54.0    幕島渡船
2回大会    H13    立石   進    島根    56.5    浜吉丸(崎野)
3回大会    H14    坂根 克治    島根    52.5    ふたまた丸
4回大会    H15    村岡 哲也    広島    50.5    北分浜吉丸
5回大会    H16    瓜崎 信之    島根    57.2    ダイキン
6回大会    H17    久郷 裕之    鳥取    53.2    ダイキン
7回大会    H18    立石   進    島根    53.1    浜吉丸(崎野)
8回大会    H19    山崎 幸男    鳥取    60.0    ふたまた丸
9回大会    H20    高瀬 光雄    鳥取    59.4    ダイキン
10回大会    H21    中嶋 孝治    G1    56.6    ダイキン
【チヌ総重量ランキング】※第5~10回(3尾制限)                    
順位    氏名    地区    重量     (kg)    1Rポイント    2Rポイント    渡船    大会
1    森岡 孝章    島根    7.60    弁天鼻    弁天ケーソン    ダイキン    5
2    石丸 敏文    広島    7.54    黒崎    大山    ふたまた    8
3    吉岡 和美    島根    7.45    大桂島    キジ尾根奥    ダイキン    5
4    安田 晋也    島根    7.30    堤裏    椎の木島    浜吉    9
5    瓜崎 信之    島根    7.25    雉ヶ鼻    美田橋下    ダイキン    5
6t    森岡 孝章    島根    7.18    島根鼻    処理場裏    ダイキン    6
6t    山本 育路    島根    7.18    シダガ崎    大山    ふたまた    8
8    大橋 雄一郎    島根    7.15    由良波止    弁天鼻    ダイキン    5
9    西田 達郎    島根    7.10    雉ヶ鼻    美田橋下    ダイキン    5
10    高瀬 光雄    鳥取    7.02    長尾鼻    シシ鼻    ダイキン    9
                                    
【チヌ長寸ランキング】                              
順位    氏名    地区    長寸     (センチ)    1Rポイント    2Rポイント    渡船    大会
1    山崎 幸男    鳥取    60.0    黒崎    大山    ふたまた    8
2    高瀬 光雄    鳥取    59.4    長尾鼻    シシ鼻    ダイキン    9
3    瓜崎 信之    島根    57.2    雉ヶ鼻    美田橋下    ダイキン    5
4    中嶋 孝治    鳥取    56.6    小ハギリ    小桂    ダイキン    10
5    立石    進    島根    56.5              浜吉    2
6    中山 哲也    岡山    56.0    長尾鼻南    弁天    ダイキン    8
7    石丸 敏文    広島    55.0    黒崎    大山    ふたまた    8
8    森岡 孝章    島根    54.8    弁天鼻    弁天ケーソン    ダイキン    5
9    大橋 雄一郎    島根    54.2    由良波止    弁天鼻    ダイキン    5
10t    中祖伸宏    島根    54.0    幕島:桂島    幕島:桂島    幕島    1
10t    安田 晋也    島根    54.0    堤裏    椎の木島    浜吉    9
10t    田中 拓也    島根    54.0    鯛の奥    瀬戸山ケーソン    ダイキン    10
 

これらの表はG1カップの過去10回大会の成績です

さすが隠岐ですねー

すごい結果だと思います

 

第1回は大社湾で開催したものですが

平成13年の第2回大会からは隠岐島前で開催しています

この大会での状況を見ますと

隠岐島前の第2回から第4回は、中ノ島の内海筋を中心に開催し最高が6尾でしたが

6尾で10キロ近い重量を記録し50オーバーを含めて良型ばかりをそろえました

全体には場所ムラガあり、釣果が出ない磯もいくつか見られました

時期が早いということもありましょうか、

西ノ島側の文覚窟周辺などは釣果がまったくあがらない低調振りでした

 

そして第5回大会から渡船にダイキンを採用し、エリアを広くとって開催しました

するとダイキンエリアの弁天島周辺や小桂島、大桂島などで大爆釣

この状況は2年続いてダイキンから連続優勝者を出しました

3尾で7キロを超えるということは

3尾すべてが50オーバーということです

多い選手は二桁を釣り上げました

 

平成18年までは、依然と海士エリアはやや低調で

型は50オーバーが見られるものの数が伸びなかった

これは時期が早いということも影響していると思います

 

私たちが開拓していたころのピークは

5月中旬から下旬の週に爆釣していましたからねー

そのことを考えるとG1カップ開催時期はちと早い

 

だが、平成19年第8回大会から海士エリアに復活の兆しが見えてきた

この年の大会はまさに記録ずくめの大会となり

特に日ノ津からシダガ崎までのエリアで釣果が伸びた

数も検量には3尾までだが、二桁を記録した選手もあった

特に黒崎では大台の60cmオーバーを記録し

ここでは良型の数も出た

 

 

ここで島前内海が低調になった原因について

私なりの考え方を述べてみます

1.赤松が松食い虫で全滅
赤松は当時すでに絶滅状態だったがその影響が徐々に海域に出始めたのがこのころからだと推測できる。その理由としては、海藻が年々少なくなってきた。緑色の綿のような今までに見ないような藻が海底に生えるようになった。この藻が確認されるようになってから極端に釣果が落ちたと感じられた。森林が海を育てるといわれているが、まさにその現象がここで起きたのだ。海岸線の山々は荒廃してそれは見るも無残な状態になっていた。しかし、赤松に代わって雑木類が徐々に増え始め、例の緑の綿のような藻が針にかからなくなった。森林の回復がまたこの海域に影響し始めているのではないかと思う。これはよい兆しと見る。

2.釣り人による場荒れ
このことも無関係ではなく何かしらの影響を与えているのは間違いないと思う。地元ではほとんど狙わないチヌ。それがブームとともに、産卵期の抱卵したチヌを1人が大量に釣り上げるのだから、その絶対数が減少する傾向は否めない。釣り場の開拓をし、島前内海の釣りを提唱してきた者の一人として責任を感じないではいられない。今後は抱卵魚のリリースも提唱していきたい。

3.温暖化
世界的な傾向だが、確かに日本海海域を見ても水温上昇の傾向にある。先にも述べたように産卵時期が徐々に早くなっているとともに、同じ時期に一気に行動するのではなく、長い期間をかけてだらだらと・・・その時期が特定できないような状況になっていると感じる。そのことが1回の釣行で爆発的な釣果が得られなくなったり、場所ムラが激しかったりしているのではないかと考える。

 

以上が私が釣り人として感じたこと・・・

専門家でもなく、科学的な根拠もなく感じたままを書いたものなので
ご了承いただきたい

 

そしてまとめ

今年はどうなのか?

どこを狙えば昔のように爆釣りするのか?

 

期間前半の今月から4月に狙うのであれば

海士の内海筋

ポイントであげれば

南から峯渡り、大平、奥座敷、須賀鼻、唐橋ロープ、赤岩、丸山、メボシ、椎の木島
黒崎、ようのき、シダガ崎

西ノ島エリアでは、大桂島、小桂島、弁天島周辺のやはり内海筋

 

5月から終盤は

西ノ島側の雉ヶ鼻周辺や文覚周辺

そして三度周辺の西磯がよくなる

海士の東海岸にも崎や三島鼻周辺など

数は出ないが大型が期待できるポイントがいくつかある

 

隠岐は島後もチヌの宝庫

西郷湾内は湾最深部に隠れたポイントがある

五箇の重栖湾も注目している

島後の場合は5月から6月になってもよく釣れる

両湾内は、真夏や秋もよく

渡船を使わずにのんびりと釣り歩くのもおもしろい

私の経験上、湾内の海岸線どこでも50センチオーバーの可能性あり

ここではサシエサに「魚玉」「練り餌釣法チヌ」「生ミック」などのダンゴエサをお試しあれ

とにかくオキアミよりも食いは抜群です

 

やー・・・長々と講釈をたれてしまいましたが

まだ足りないって感じですかー

 

隠岐島前の春の内海の釣りは、なんとも魅力的です

ウグイスやキジなど野鳥のさえずり

放牧している牛や馬の声

池のように静かな海面

すると・・・・

そんな穏やかな雰囲気からは想像もつかないような強烈なアタリが・・・・・

ウキを消しこんだと思ったら

一気に道糸が走り手元にドーンと伝わる重量感

この一瞬がなんともたまらないここのチヌ釣りの醍醐味ですかねー

 

最近では内海での大鯛ラッシュに沸いていますが

いずれにしてもここには、ここの良さがあるんですよねー

癒されます

 

ギスギスした現代社会にさいなまれた心や身体をケアしてくれるような気がします

私はここを「隠岐療養所」と呼んでいるんですよ

 

体調が悪くなったらここへ行くことをおすすめします

 

 

本当に語りだしたら夜明かししてしまいそうです

合宿しないといけませんねー

 

まー・・・機会があれば

「隠岐のチヌ釣りを語る」と題して釣り談議でもできるといいですねー

お付き合いいただけます?