今岡実先生の教えに思う

2008年08月15日

昨日、高校時代の恩師今岡実先生が
日本高野連から功労表彰を受賞された記念祝賀会があり出席した

大社高校卒業３４期の私達から４０期までの野球部OBたちが集まった

私にとっては野球部の監督だけではなく
体育科７期３年間の担任でもある大恩師だ

今岡先生は自らの野球経験が全く無いところから
低迷期にあった大社高校野球部を
監督として選抜１回、夏１回の甲子園に導いた

出場は逃したが
夏の大会で言えば
わたしたち３４期がベスト４で甲子園に出た浜田に破れ
以後常に決勝まで勝ち上がる成績を残した

特に３６期、３７期中心のメンバーで選抜出場し甲子園ベスト８は輝かしい成績だ

その後は松江北高でも監督をされ
県高野連の副会長、教諭を退職後は福祉学校の校長を歴任され
現在はまた大社高校のグランドに・・・・

教え子だった現大社高校野球部の坂本監督（３７期）、板垣部長（３８期）のバックアップに・・・・

社会人になっていろいろな会に出てきたが
この会ほどすばらしい会は久しぶりだった

今岡先生に久しぶりにお会いして話ができたこともそうだが

ここへ集まったみんなが同じ表情で、同じ目をしていたのがうれしかった
不思議と同じような価値観になるのだなーとも感じた

「あーそうだよなー」
「これがおれたちが信じてやってきたことなんだよなー」

みんな社会人になって２０数年・・・
それぞれがそれぞれの分野で活躍している様子が
言葉なくして感じられてそれがうれしかった

先生や各期を代表して当時のエピソードや
今だから話せる
わたしたちでも始めて聞くような事が次々に飛び出した

語りだしたら切がない

それぞれにそれぞれの思いもあるはずだが

みんな当時を思い出すと思わず涙がこみ上げてくる

３４期を代表してスピーチの機会をもらった私も
恥ずかしながら感激して涙がこみ上げてきて声が上ずった

今岡先生からはこんな話があった
グランド作り、グランド整備が原点であったこと
３年生でベンチを外れる生徒を決めるのに練習後毎晩のようにその生徒宅を訪問したこと
甲子園で最低２戦は勝つことを目標にしていたこと
監督を受けることになった経緯・・・などなど

そしてこの会で改めて認識したのは
高校野球は野球を通した人間形成の場であったということ
それを教育者として、また高校野球の監督として実践してこられたことが
今回、高野連に認められたということだろうと思う

今甲子園では連日熱戦が繰り広げられているが
甲子園の桧舞台に立てるのはほんの一握りの人間だ

勝ち負けの勝負の世界であることは間違いないが
控えの選手やベンチにも入れなかった選手の気持ちが分からなければ
その勝負にも勝てないし、勝っても意味がないことを今岡先生は言っておられるのだと思う

「ベンチを外れることを告げに家に行くと、自宅でもまた猛練習をしているんだよ
次の日も、次の日も・・・、それでも告げなくてはいけない・・・辛い」

その話になると今岡先生も涙があふれて言葉にならなかった

現役監督の坂本が言った
「今年で監督就任１１年目になるが、当時は技術に走ったことがあった。
しかし技術以上に、心、気持ちの部分が大切だということが分かってきた」・・・と

今夏、決勝では開星に大差をつけられたが
実力的にはほぼ互角のチームを作り上げた手ごたえが感じられた

今岡先生が高校野球を極められるのは
自らが甲子園監督と成り
今度は教え子であった、坂本監督、板垣部長が甲子園に導いてこそ
成就されるものだろうと思う。

この今岡先生の教えが受け継がれる大社高校野球部の今後の活躍を期待するとともに
わたしたち同志もその思いを各分野に生かし、また支援していきたいと思うのである。