泊まりのお客さんに場所の優先権があるということで

「キチ、初日はおれがいいところに上がったけん、今度はお前がいいところへあがらこい」

なんだかんだいいながら、迷う迷う・・・なかなか決まりません

 

予報では西風が強くなることも想定して

結局は前日好調だった松島の「ホトケ」へ

 

しかし・・・・これが大裏目

潮は豊田方向に流れるホトケの最悪パターン

私も幾度となくホトケには上がっているのだが

この潮だけはよくない

「ほーら、お前と来たけんこぎゃんことになるがー」

「だいたい、お前と来ていい釣りしたことがないのー」

「おまえの普段の行いが悪いけん、こぎゃんことになるがー」

 

初日はダメでもまだ二人にはどこか余裕があった

 

しかし、二日目ともなると後がない

お互いにぼやきの連発

 

ついにキチ君・・・伝家の宝刀・・・磯替りコールが始まりました

「きゃんとこつまらん、替わるか、替わるか」

「午後からよくなるっていうけんここでいいわやー」

「いやつまらん」

「ほんならお前一人で替わればいいがやー」

 

・・・って言うが早いか電話が早いか

船長にコール

「船長を休ませんのー・・・ちーとわがままが過ぎるでー」

 

一人になって釣るも

釣れるのはスズメダイくらいなもの

2ヒロまで浅くするもここはエサ取りが多い

同じ海でもえらい違うものだ

ますます最悪の潮が早くなってきた

そのころから風も強くなり竿を持って立っているのが辛いほど

 

ちょうど昼になるので

何とか穴ぼこで湯を沸かしてカップラーメンに注ぐと

 

渡船のエンジン音

「おおー浜吉丸ではないかい」

ホースヘッドにはキチ君の姿が

「浜キチ丸になっとるがー」(あまりにもキチ君の磯替りで渡船を独占するため)

 

どこへ行っていたのか

また船長に磯替りコールして本日2度目の磯替り

 

しかも「どげかねー・・・戻ってきたわー」

「だめだけん戻ってこんでもいい・・・おれはここでやるけん」

「おまえは勝手にどっかへ行けー」

「ほんなら一緒にもっと風裏にいかやー」

 

私もここで断ればいいものを

まんまとキチ君の口車に乗ってしまった

 

ホースヘッドでできかけのカップラーメンをすすって

今度は松島の「イモ島」へ

確かにここは別天地・・・風がなくて穏やかだ

 

「なんかいー、いつだったかいもおまえと、ダメで結局最後はイモ島へ上がったがー」

「またここかい」

「そげん、あの風だったら結局釣りなんかできんわねー」

「だいたいおまえと来るといつもこーなる運命だがー」

「つまらんのー」

「ここが穏やかでいわねー・・・風が強いと疲れーがー」

 

とまたぼやきの掛け合い

 

イモ島では30cmまでの小型のグレがぽつぽつ

放流サイズも多かった

「釣れんよりいいがねー・・・面白いでしょう」

 

「ああー、夕方になったら風が落ちて、ホトケで40UPが入れポンだったになー」

「おまえにそそのかされたわー」

 

「しゃんことないわねー」

 

やれやれ、何とか無事に納竿、七類帰港

船長に「キチ君のペースにはまりっぱなしでしたねー」と・・・・とどめの一言

 

「あの船長だけんおまえの過ぎたわがまま聞いてごさいだでー」

客とはいえ

浜崎の船長さんは本当にいい人です

 

今回のめぼしい釣果は

結局イカでした


 
帰りの車の中

「腹が減った、腹が減った、もう血糖値が上がって倒れそうだわー」

「そこのコンビニよるけんねー」

 

「おまえまた豚マンかやー、共食いだのー」

「やーーー、これまいがー」

「だけん、こげん太るわやー」

 

「そーで今度はいつ行くかねー」

「もーおまえとは行かん」 


 【私の仕掛け】

ロッド:がま磯マスターモデル尾長M-53
リール:リョービメタロイヤル2000ZM
道糸:東レ・銀鱗SSサスペンド2.0号
ハリス:東レ・トヨフロン・スーパーL・EX2.0~1.5号
ウキ:竹下ウキ・16センチ・6B
ハリ:がまかつ・A1ボイル口太5~7号
ウキ下:竿1~2本前後

 

【エサ】(1日分)
オキアミ生3キロ×4
地アミ4キロ×1
マルキュー・グレパン×1、グレパワーV9SP×1

くわせオキアミスーパーハードL×1
くわせオキアミV9L×1