チヌの乗っ込みシーズン間近
60センチ超を狙う。 ~ 隠岐、未開拓の磯、大型チヌを釣る作戦 ~
さー、いよいよ今年もチヌのノッコミシーズンがやってきた。例年、釣れ出すのが早い大社湾内の磯では、すでに40センチ級が釣れ出し活気づいている。
さて今年のノッコミシーズン。私は、一つの目標を掲げた。現在までのチヌの自己記録は隠岐島前の水道で釣った55,5センチが最高だ。今年の目標はこの記録を更新するだけではなく60センチ超のチヌにこだわり、数釣りではなくターゲットを大チヌに絞って釣行計画をたてる。
作戦その1・・・ポイント
近場では魚瀬を攻める
チヌも50センチ超、ことに60センチ超を狙って釣行するとなるとポイントも限定されてくる。
近場のポイントとしては、ホームグランドにしている松江市魚瀬町をあげたい。この魚瀬では過去にも60センチオーバーの実績がある。私も過去に得体の知れない引きに遭遇したことがある。そして、クラブのメンバーからも同じような体験をしたという情報が何件もよせられている。正体は、マダイだ、カンダイだ、イシダイだという人もいるがチヌの可能性も十分ある。60センチオーバーを狙うなら沖磯よりもむしろ地に近い島まわりや地磯が狙い目である。
私の狙いは、イサキ島の地向き、フゼンの地向き、めぼし岩、めぼし岩の港寄りにある小さな二つの島である。これらは比較的水深が浅いが、底瀬が複雑で藻の生息もよく、平成7年4月、「フゼン」で平田市の南波学さんが60センチ超を釣りあげたのは記憶に新しい。
隠岐は海岸線全てがポイント
そして、60センチ超を釣る確率が最も高いのが隠岐の島である。隠岐に関しては海岸線全てがポイントといっても過言ではないと思っている。つまりどこで出るか分からない、どこでも可能性があると言っても良いだろう。今までにも60センチ超は何匹も釣り上げられている。計測方法がまちまちだったり、血抜きをし氷で締めてちじんだり、未確認のものを含めればかなりの実績があると思う。隠岐にはまだ未開の磯がたくさんある その中でも今年特に狙ってみたいのが、自分でまだ一度も竿を出したことのない未開の磯、それは、島前中ノ島の東海岸である。この海岸線は入り組んだ湾が多くこの湾はかなり深く切れ込んでいる。湾内ではヒラメの養殖の筏などもありチヌの大物が潜んでいる可能性は十分である。ただこの地域は渡船業者としても未開の磯であり、渡船では湾の奥までは無理であろう。そこで車を用意して陸から磯つたいに自分の足で攻めてみたい。とにかく私にもポイントの特定がしがたい未知の世界である。 それともう一カ所、松島を狙いたい。これまで隠岐の沖磯では、あまりチヌの実績がないが松島は別である。私がよく利用するふたまた丸の民宿但馬屋には、松島で釣った60センチ近いチヌの魚拓が何枚もある。チヌを狙って松島に釣行する人は少ないだろうから、おそらくグレやタイ狙いの外道に釣れたものであろうと推測する。ポイントとしては地形からみて「高場」周辺を狙ってみたい。
作戦その2・・・タックル
大チヌは何度も修羅場をくぐり抜けた強者
実際に60センチ超のチヌを釣ったことがないので引きの強さについては、これも未知の世界である。しかし、60センチ超にもなるチヌは漁師や釣り人などさまざまな外敵から修羅場をくぐり抜けた強者である。当然警戒心も強くそう易々と釣り人の仕掛に食いついてくれないだろう。
近場の魚瀬では、ハリス1.5~2.0号、離島の隠岐なら2.0~3.0号まで用意したい。チヌ狙いには太すぎやしないかと思われるかもしれないが、狙って釣るなら近場でも離島でも2.0号から落としたくないのが本音だ。
このハリスの号数から逆算して、その他のタックルをバランスよく組み立てる。ハリ:がまかつふかせチヌ4~5号、軸がしっかりしているので安心感がある。道糸:東レミラクルハンド2.5号、しなやかでリールによくなじみライントラブルが少ない。竿:がま磯スーパーインテッサ1.25号、胴に乗ってからの粘りと反発力がすばらしい、藻の多いところでは早く寄せすぎて藻に入られてバラスことが多いので、ただ硬いだけの竿でなく、チヌを沖で十分にためられる竿がよい。ウキ:竹下ウキ、遠投が出来て感度がよい。緩い潮で風などの影響を受けやすい山陰地方の海岸では、管付きウキの利点が最大限に生かされる。
作戦その3・・・エサ
ノッコミチヌの攻略はマキエにあり
マキエは近場の魚瀬では半日の量として、オキアミ生6キロ、配合にマルキューのオカラだんご2、チヌパワー1、状況に応じてチヌパワースペシャルを使う。
隠岐の場合は、手前が藻で覆われている場所が多いので仕掛もマキエも遠投が必要になる。また、深場からポイントとなるかけ上がりの棚までチヌをおびき寄せるにはかなりの量が必要である。半日の量として、オキアミ生6キロ、オカラだんご4、チヌパワー2、状況に応じてチヌパワースペシャルを2回に分けて作る。作り方は、最初に配合エサをよく混ぜて少し水を加え、後でオキアミ生をつぶさず原型のまま丁寧に混ぜ込んでいる。
中途半端な量のマキエは禁物
隠岐で釣れなかったという人の話を聞くと、たいていがマキエに問題がありそうだ。量的に中途半端に撒いて、結局エサ取りだけ寄せて本命のチヌが釣れなかったというパターンだ。釣り人があまり入っていない隠岐の磯では、チヌを寄せるのにかなり時間がかかるものだ。チヌが寄ってこればエサ盗りがいても深くツケエを追わなくなる。隠岐釣行の配合エサはダンボールごと
私のマキエは、配合エサだけでもすごい量になる。最近ある雑誌で配合エサによる環境汚染が問題にされていたが、マルキューの配合エサは自然の穀物などで作られているから安心である。これらは実験で、オキアミの何倍もの早さで海中に分解されることが実証されており、全て人間が食べても害がないという。配合エサは、オキアミだけではどうしても攻めきれなかった隠岐の遠投釣方をサポートする。
水温の安定時期を狙う
狙う時期は、魚瀬が3月中旬から5月上旬まで。隠岐が4月中旬から5月末までがよいだろう。春のノッコミ時期はまだ水温が低く不安定なので、雨降り後の水温が低下したときは避け、数日間水温が安定しているときとか1,2度前日よりも上昇したような日が狙い目である。近場の魚瀬でも、離島の隠岐でも50センチクラスはあたりまえといったチヌの超1級磯が多い。きっと60センチ超のチヌはいる。
釣りは、トーナメントなどで上位に行くことも醍醐味だけれども、自分のG1サイズをひたすら追い求めるところにも夢がある。