グレ釣り天国。九州の離島が呼んでるぜ!
男女群島釣行の準備など
私が最初に離島に挑戦したのは平成5年2月の草垣群島である。この時は60センチオーバーは出なかったものの、40センチから50センチのグレを50匹以上釣って、自分自身が度肝を抜かされた。それからというものは毎シーズン釣行している。離島の経験としてはまだまだ年数が浅く新参者ではあるが、あのスケールの大きさと醍醐味に夢中になり、とりこになった一人なのだ。ちょうどこの時期は、ホームグランドとする山陰海岸はシケの日が多く釣行チャンスも限られることから、是非、計画を練って夢の離島へ挑戦してみてはいかがだろうか。
特に今年は、12月早々から男女群島が好調で天候に恵まれれば、数、型共に大漁が続いているという情報が入っている。比較的ピークが早い男女群島に対して2月から4月にかけては南西諸島の「草垣」「宇治」などが狙い目である。
何をどのように準備したらいいの
さて、いざ離島に行こうと思うのだが最初は何をどうしていいのか分からないものである。私も最初に行くときは準備の時からあれやこれや迷い不安であった。離島の王様「男女群島」を例に取ってみても、その自然条件、釣れるグレ、渡船の規模、その他諸々どれをとっても普段、近場で経験している釣りとは桁外れなスケールである。それだけに準備の段階から様々な気配りが必要なのだ。
渡船の予約は早めに
男女群島ともなればシーズンになると全国各地から釣り人が押し寄せるので、早めに予約しておくことをおすすめする。私の場合は、釣り人が集中する年末年始や土曜、日曜前後に釣行することが多いので、半年前から、遅くとも3ヶ月前から予約をしておく。このときエサも一緒に予約しておくと便利である。
夢膨らむ・・・準備も楽しい
離島遠征ともなると準備も大がかりであるが、少しずつ道具をそろえて、リールに新しい糸を巻き替えたり、仕掛けを作ったりしてバックに詰めたり出したり、まるで子どもが遠足に行く前のような楽しさがある。私の1泊2日釣行の場合の道具類や食料などは別表の通りである。
釣り道具に関しては、夜釣りの太仕掛け用に、磯竿の4号クラス、ハリスを12号まで、ハリにはケプラーで補強したものを準備している。
その他としては、何せ真冬の磯で30時間以上も過ごすわけだから、それ相応の品々が必要となる。
食料は、船からご飯とほんの簡単なおかずが付いて2食分の支給がある。しかしこれだけでは、寒く冷え切った体を温め、長時間の釣りに耐える体力を保持できない。最近では便利の良いレトルト食品がたくさん出回っているので便利である。 まず支給のご飯には、カレーや牛丼などを暖めて食べる。雑炊にするのも良い。後は、カップ麺類やスープ類を十分に用意している。また、切り餅を各種スープなどに入れて食べると暖まり、腹持ちが良いのでいつも持って行くようにしている。また、磯に付着しているカメノテ・ジンガサ・フジツボはみそ汁などにすると最高においしい磯ならではのグルメだ。
飲料水は船に十分積んであるので、2リットルくらいのプラスチック製のタンクを準備し、あらかじめ入れておいて一緒に持って上がる。その後は、船が見回りに来たとき補充すればよい。
ビニールシート製の寝袋カバーを持って行くと重宝する。このシートはファスナーで袋状になっていて、この中に入っていれば少々の雨や風ならしのげる。しかも広げればテントの代用にもなり用途が広い。大田市の林釣具店に2000円程度で売っている。
荷物は、一人で投げられる重量にまとめる
離島の渡船は、たいていの船に1人から2人のポーターが磯上がりの補助をしてくれるので楽である。荷物は投げて渡すことが多いので、ひとつひとつの荷物の重量を人間一人が投げれる程度にしておく。どうしても荷物が多くなる場合は、ひとつくらい個数が増えても一つ一つの荷物を軽くしておいた方がスムーズに行くように思う。
目安としては30リトル前後の大きさで、ハードケース製のバッグが丈夫で中の物も痛みにくい。また、自分の持ち物には大きく目立つように名前を入れ、目印になる物を付けておくと便利である。カラフルな紐などがよい。こうしておくと磯上がりがスムーズで他人の荷物と間違えることもない。
クーラーは磯に持って上がらない
離島の場合は足場の悪い磯が多く、磯上がり時の時間ロスや安全性などもあり、大型クーラーは磯に持って上がらないのが通常である。釣った魚は大型のドンゴロス(麻袋)に入れる。このドンゴロスは足場の悪いところに敷くと滑り止めにもなるので便利である。大きい物を2,3枚持って行く。
タイムスケジュール・男女群島1泊2日釣りの場合(渡船ひりゅう)
1日目 | |
8:00 | 八束郡宍道町の自宅を出発 9号線を山口県小郡ICまで |
17:00 | 小郡ICから中国自動車道-九州自動車道-長崎港畔苅到着 |
19:00 | 渡船出発 出発前日、出発直前、予約した渡船に日程など変更がないか電話で確認する。 港に着いたら早めにライフジャケットなどを置いて船の席を確保しておくと良い。船に酔う人は中心から後方がよい。船の中は暖房がしてあり暑いので厚着をしないように注意する。汗をかいて体力を消耗する。磯上がり時も同様である。 |
22:00 | 男女到着 |
23:00 | 磯上がり 磯に上がったら荷物を安全な場所にまとめ、夜釣りのポイントや足場を確認しておく。以後、海中にライトの明かりが入り込まないように注意する。(オナガグレは光を嫌う)軽い夜食をとって、夜釣りの準備をする。竿4号クラス、ハリス10号~12号、ケプラー補強エサはオキアミ3キロ2角、ジャンボ4キロ2角、付けエサ、集魚剤1袋を持って上がる。夜釣りはジャンボを中心に集魚剤は混ぜない。オキアミは粒のまま(青白く光るのが効果的) |
2日目 | |
0:00 | 夜釣り開始 しばらく釣ってアタリがなく気配がないようなら時々休憩する。この合間に軽い食事、飲み物などをとる。朝マズメの時合いを逃さないためにもペース配分が必要。朝マズメ用の仕掛けも準備しておくと良い。 |
6:30 | マズメ用の仕掛けに変更 大物が釣れるチャンス。この時間帯を逃してはいけない。集中して釣ること。ハリス7号くらいで狙う。8:00頃までやってみて、口太のアタリが多いようなら狙いを替えて仕掛けを変更する。竿2号、ハリス3号~5号。状況に応じて撒き餌に集魚剤を混ぜる。 |
9:00 | 渡船見まわり あまり釣況が良くないようなら船長の指示を確認して磯替わりをする。磯替わりは1時間くらいの時間ロスになるので、そのリスクを十分考えておくこと。エサの補充を忘れずに 釣果があればクーラーに入れる。氷は船に積んであり後でポーターが入れておいてくれるので心配ない。 |
13:00 | 渡船見まわり 見まわり時間は降りる前に確認しておくこと。指定時間の前後は当然のことであるが、船によってはシステムが違う場合があるので事前によく確認しておくこと。天候の変化にも注意。 釣況によっては、夜釣りに備えてこの時間帯に仮眠、食事など休憩をとっておく。 |
16:00 | 渡船見まわり この時に2食分の弁当支給。しかし、ここですぐに弁当を広げるようでは良い釣果は望めない。ここでは夜釣りの安全な場所に磯替わりする場合が多い。夜釣りに備え底瀬や足場、取り込み場所などポイントの状況を確認しておく。夜釣り用の仕掛けや撒きエサなどを準備する。 夕マズメ、夜釣りの準備ができれば、釣況に応じて食事や休憩をとる。しかしこの時間帯は釣り続けることが多い。 |
18:00 | 夕マズメ-夜釣り開始 この時間帯も大物のチャンス。体力的にも疲れてきて、腹がへる時間帯だがチャンスを逃してはいけない。 20:00までを1サイクル、つぎに22:00までを目安にがんばってみる。 釣況を見て食事、仮眠をとる。 男女群島など離島では、上げ、下げ、潮が変わると釣況が大きく変わることが多いので、事前に潮時を確認しておくことが釣果を伸ばす秘訣。潮の変わり目には釣りを再開してみよう。夜のオナガ狙いは、いつ時合いが到来するか分からないので、休憩を入れながらもこまめに竿を出してみよう。 |
3日目 | |
5:00 | 渡船見まわり いよいよ最終日である。海が凪であれば船長に相談し、男女なら西側の磯や瀬戸周りのハナレ瀬を希望してみよう。魚影サイズとも男女の中でもまたすばらしい。 |
10:00 | 納竿 |
14:00 | あぜかり港到着 |
15:00 | 長崎港帰路出発 |
24:00 | 帰宅 寝不足とハードな釣りで体力は消耗、かなり疲れているはず。帰路の車の運転は十分余裕を持って事故の無いように注意したい。 |
目標は60センチオーバー
離島の釣りの全ては天候に左右されると言っても良い。海の状況によっては、出港が遅れたり、途中で撤収となり日程の半分しか釣りができなかったりすることも多い。ここでは1泊2日の全日程、釣りができた場合を想定したが、離島の釣りは、グレの時合いを的確に捉え、いかに自分の体力をペース配分するかで大きく釣果を分ける。
平成3年2月、男女群島に初めて釣行したとき、着いた日の夜釣りで12号を成すすべもなく2回飛ばされた。今までに体験したことのない強い引きに、未熟にもうろたえたものである。それから「男女」や「草垣」、「宇治」に何度となく足を運んでいるが、あの時のような強烈なアタリに遭遇もせず、私の記録は、草垣の55.5センチ止まりである。
やはりグレ釣り師の夢は60センチオーバーを釣ることである。自己記録となるG1なグレを追って離島への挑戦はつづくであろう。